第3章:避難について
避難携行品・備蓄

「避難携行品(非常持ち出し袋)」と「備蓄」は、災害発生直後から救助・支援体制が整うまでの「空白の3日間」を生き延びるために不可欠です。物資の準備は、「命を守るための初期対応」と「生活を維持するための長期対応」の2段階で考えます。
避難携行品は、避難時にすぐに持ち出せるよう、最低限必要なもの(水、食料、常備薬、懐中電灯、携帯ラジオ、連絡手段など)をリュックにまとめ、寝室など持ち出しやすい場所に置きます。特に、水と情報(ラジオ)は重要です。
一方、備蓄は、在宅避難を想定し、最低3日分(できれば7日程度)の食料・水・生活用品を家庭内で確保することです。トイレットペーパーやカセットボンベなど、日常使用するものを少し多めに買い置きし、使った分だけ補充する「ローリングストック法」を推奨します。食料は、調理不要ですぐに食べられるものが基本です。これらの準備は、公的な支援が届くまでの時間を自力で耐え抜き、命をつなぐための生命線となります。
A. 避難携行品(非常持ち出し袋)の具体的チェックリスト
避難時に「すぐ持ち出せる」よう、リュックサックにまとめ、玄関や寝室の近くに置きます。
- 命の維持: 水(500ml×3本)、カロリーメイトなどの非常食(3食分)、常備薬、救急用品、マスク、軍手。
- 情報・明かり: 懐中電灯(予備電池)、手回し充電式ラジオ、ホイッスル。
- 貴重品: 現金(小銭含む)、健康保険証のコピー、携帯電話・充電器・モバイルバッテリー。
- 衛生用品: ウェットティッシュ、生理用品、簡易トイレ、タオル。
- その他: 防寒着(アルミブランケット)、雨具(カッパ)。
B. 家庭内備蓄(ローリングストック)の具体化
ライフラインが止まっても、最低7日分の生活を維持できるよう自宅に確保します。「ローリングストック法」で常に新鮮なものを備蓄します。
- 食料: レトルトご飯、缶詰、フリーズドライ食品、インスタント麺、栄養補助食品など(加熱せずに食べられるものを優先)。
- 水: 飲料水(一人一日3リットルが目安)、生活用水(風呂の残り水など)。
- 生活用品: カセットコンロ・ガスボンベ、トイレットペーパー、ティッシュ、ポリ袋(大小)、ラップ、電池、簡易トイレ(凝固剤付き)。
【具体的な行動】 「3日分は持ち出し、7日分は自宅」という原則を念頭に、家族構成(乳幼児、高齢者、ペット)に応じた特別な備蓄品(おむつ、粉ミルク、介護用品、ペットフードなど)も忘れずに準備しましょう。
