第1章:身の回りの危険を知る
災害とは

災害とは、暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、地盤の液状化、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。
(災害対策基本法より抜粋)
災害の定義は、人為的または自然的な原因によって、社会や個人の安全、生命、財産が脅かされる予期せぬ出来事とされています。この定義は、災害が単なる不幸な出来事ではなく、社会の機能に深刻な影響を与えるものであることを示しています。
人々の健康と生命と財産に深刻な脅威をもたらし、通常の保健・医療・福祉・介護システムでは対応できない事態を指します。これは、単なる病気や事故の集まりではなく、社会全体が影響を受ける、複合的な危機として捉えられます。
健康危機管理の3つの側面
健康危機管理では、以下の3つの側面から災害に対応を考えます。
- 直接的な被害: 災害発生直後の外傷や急性疾患に対する医療対応。
- 健康二次被害・災害関連死: 災害後の避難生活や環境の変化によって生じる感染症、生活習慣病の悪化、精神疾患などへの対応。
- 社会機能の維持: 医療機関、保健所、介護施設などの保健・医療・福祉・介護システムが機能を維持し、被災者の健康を守ること。
健康危機管理における災害の概念は、単に目の前の負傷者を治療するだけでなく、災害の全期間を通じて、人々の心身の健康と社会機能を守るという、より広い視野が必要になります。
