第2章:身を守る行動
危険から身を守る

地震

身を守る行動

室内ではまず身の安全を最優先する。机やテーブルの下に入り、両手で頭部と首を覆って落下物から守る(shake out:Drop,Cover,Hold on)。棚や窓、照明から離れ、立ち上がっての移動は揺れの最中は避ける。火を使っている場合は可能なら消火し、ガスの元栓は安全を確認してから閉める。屋外では建物やブロック塀、街路樹から離れた広い場所へ移動し、電柱や看板の落下に注意する。車内では急ブレーキを避け、安全に停車してハザードを点灯する。余震に備え転倒・落下物を常に警戒し、負傷者対応の準備も行う。

Drop Cover HoldOn

避難行動

揺れがおさまった後、速やかにラジオやスマートフォンで情報を確認し、避難指示や勧告の有無を確認する。建物の損壊がないかを見て、安全が確保できない場合は事前に決めた避難経路に従い、ヘルメットや防災用品を携帯して避難する。夜間は懐中電灯と反射物を用い、階段を使って迅速に移動する。エレベーターは使用せず、集合場所や避難所で安否登録を行い、負傷者や高齢者、ペットへの配慮と情報共有を怠らない。

津波

身を守る行動

水に流される、家屋や建物が破壊される、漂流物にぶつかる、津波後の火災など多岐にわたります。数十センチの低い津波でも人体に強い力がかかり、人を流す危険があるため、地震後に海の異常(急な引き潮や大きなうねり)を見たら直ちに高台へ移動を開始する。津波は数回にわたることが多く、第一波が最大でない可能性があるため油断しない。海岸や港湾、河口付近では波の音や水位変化を感じたら即時避難。車での移動は渋滞や冠水で危険なので、徒歩で高所に向かう。夜間や視界不良時は灯りと声で周囲に注意を促し、低地での待機は厳禁。

避難行動

津波警報・避難指示が出たら、自治体指定の避難場所や指定高台へ速やかに移動する。高層建築が近くにある場合は最上階が安全とは限らないため、自治体の指示に従う。車を使う際は冠水や道路陥没に注意し、渋滞で行動不能になる恐れがあるため徒歩が基本。避難所では地図や安否情報の共有に協力し、救援が来るまで食料・水・防寒具を確保して仲間と協力して安全を維持する。

台風・暴風雨(高潮・強風)

身を守る行動

強風や暴風雨ではまず窓や雨戸を施錠・補強し、飛散物になり得るベランダの物を屋内へ移す。停電に備え懐中電灯や電池、非常用電源を準備。低地や河川近くの住宅は浸水の危険が高まるため、家具を高い位置に移動し重要書類は防水袋に入れる。屋外での移動は避け、樹木や看板、電線から距離を取り、強風時は窓際に近づかない。洪水・高潮の予報が出たら車の駐車位置にも注意する。

避難行動

避難指示(避難勧告・避難指示)が出たら指示に従い、浸水想定区域や高潮の影響を受ける場所から高所へ移動する。車での避難は冠水や横転の危険があるため状況を見極める。浸水開始前に避難することが重要で、夜間や停電時は懐中電灯・携帯電話の充電器を持参する。避難所では感染対策や密集回避を心がけ、特に高齢者や小児の安全確保に注意する。

集中豪雨・河川洪水

身を守る行動

大雨が続く時は河川の増水状況を常に確認し、床上浸水リスクのある場合は家電は高い位置へ移動、水に濡れては困る物は袋にまとめる。就寝時や外出時はハザードマップを確認し、雨音や排水の流れが普段と異なる場合は早めの避難準備を行う。雨で視界が悪い場合は不用意に橋や河川敷に近づかず、土壌の緩みで地盤が不安定になっている場所は避ける。

避難行動

河川氾濫や氾濫危険情報が出たら、指定避難所や高台へ早めに避難する。浸水が始まってからの移動は非常に危険なため、レベルが高まる前に出発する。車での避難は流されるリスクがあるため避け、徒歩やバイクでも深い水は渡らない。避難所到着後は情報掲示を確認し、必要に応じて追加避難(高台へ転移)を行い、近隣住民との連携で安否確認を行う。

土砂災害(がけ崩れ・土石流)

身を守る行動

大雨や地震後は斜面や切り土斜面、沢沿いを避ける。夜間は特に危険で、土砂の前兆(小石や水の勢い、木が大きく動く音)を感じたら即座に上方へ避難する。自宅が土砂災害危険箇所にある場合は家の構造点検と周囲の排水状況を常に把握し、雨どいや側溝の詰まりを解消する。窓から異常を見つけたら外に出ず、家の高い場所や近隣の頑丈な建物へ移る準備をする。

避難行動

自治体の避難勧告や警戒レベルに従い、危険度が高い場合は即刻避難する。避難はできるだけ高所・頑丈な建物へ向かい、谷底や沢沿い、崖下には絶対に近づかない。避難経路は事前に複数確認し、土砂で道路が遮断される恐れがあるため早めの行動を心がける。避難所では被害情報の提供に協力し、車中避難の場合も斜面から離れた安全な場所を選ぶ。

火山噴火

身を守る行動

噴火警戒レベルや噴火予報を常に確認し、火山灰対策として屋内に退避して窓や換気口を閉める。外出時は防じんマスクと保護眼鏡、長袖・長ズボンで皮膚や呼吸器を守る。屋根や排水口に積もる灰は重さで構造に負担をかけるため、安全な範囲で落とす準備をする。噴石や火砕流の可能性がある場合は速やかに広域避難を行う。車両運転時は視界低下やエンジン吸気への灰混入に注意する。

避難行動

火山の噴火警報が出たら、警戒レベルに従い指定避難場所へ速やかに避難する。必要に応じて広域避難が指示されるため、移動手段と避難先を事前に確認しておく。避難の際はマスクや保護具を着用し、目や呼吸器の保護を優先。火山灰は生活インフラを麻痺させるため、食料・水・医薬品を確保して長期滞在に備える。避難所では呼吸器疾患や眼病のケアを行う。

火災・延焼

身を守る行動

地震やガス漏れ、電気系統の異常で火災が発生した場合は燃えやすい物から離れ、煙を吸わないよう低い姿勢で安全な出口へ向かう。扉や廊下が熱い場合は裏口や別の出口を探す。燃えている部屋に閉じ込められたらドアの隙間を濡れた布で塞ぎ、救助信号を出す。初期消火が可能なら消火器で対応するが、延焼が速い場合は即座に退避することを優先する。

避難行動

火災報知器や避難警報が作動したら指示に従い建物から速やかに避難する。エレベーターは停止するため階段を使い、煙の多い階段は使わず別ルートを選ぶ。集合場所で安否確認を行い、延焼の影響を受ける地域からは遠ざかる。避難所では火災由来の被害(やけど・煙吸入)に備え医療支援を要請し、近隣との情報共有で迅速な救援と復旧に協力する。

大雪・雪崩

身を守る行動

大雪では屋根雪下ろしや雪の重みによる倒壊リスクに注意し、不要な外出は避ける。除雪時は無理をせず複数人で分担し、低体温症に留意する。雪崩の危険がある斜面では立ち入らず、雪の亀裂や小規模な滑落音などの前兆を確認したら直ちに横方向へ避難する。車での移動時はスタッドレスタイヤ・チェーンを装着し、携帯用毛布や非常食を備える。

首相官邸:
雪害では、どのような災害が起こるのか

避難行動

雪害で孤立や停電が発生した場合は自己避難の判断が重要。雪崩危険情報が出たら斜面の下方や沢沿い、急傾斜地から速やかに離れ、安全な高所へ移動する。車での避難は凍結やホワイトアウトの危険があるため避け、徒歩避難でも低体温対策を行う。避難所到着後は発熱や凍傷の有無を確認し、除雪や道路復旧の情報に従って安全に行動する。